20世紀も終わりに近づいた1999年。
人々が21世紀というものを徐々に意識し始めた
ちょうどその頃、ある1枚の名アルバムが産声を上げました。

ご紹介CDはこちら。

無罪モラトリアム
無罪モラトリアム
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椎名林檎
EMIミュージック・ジャパン (1999-02-24)
売り上げランキング: 4245
無罪モラトリアム
(上記Amazonページより全曲試聴ができます)

このアルバムが発売されてからもう10年以上も経っちゃっているのか?
早いもんです・・・って何だかおっさん的な流れですいません。
ですが、このアルバムを紹介するにあたり当時の時代の空気を
知ってもらいたいと思うので僕から見た当時のお話を少し・・・。

なお、ここから先の文章は
僕なりの勝手な解釈が多数含まれておりますので悪しからず。

1995年に起きた阪神大震災の傷跡がようやく癒え、復興へと向かっていく一方、
山一證券が自主廃業に追い込まれるなどバブル崩壊の爪跡はまだ色濃く残り、
“不況”“就職難”といった文字が踊っていた、そんな混沌とした時代。

また音楽業界はというと、エイベックスが急成長を遂げており、
小室哲哉のプロデュースする曲が軒並みミリオンセラーを獲得し、
またつんくプロデュースのモーニング娘。の曲もそれに変わる形で
ミリオンセラーを連発。

で、当時の僕はこういった状況に違和感を感じ、また絶望していました。
歌の内容ではなくプロデューサーの名前、アーティストの名前だけで
売れてしまう(しかも100万枚も)ことに対して・・・。
不況、不況と叫ばれてる時代にですよ。

ただ・・・。
もうこの絶望的な状況は変わらないだろうと
あきらめていた一方で、ほんの1%くらいでしょうか。
もしかして21世紀になれば、何かが変わるかも・・・とも。

なんせ、世紀が変わるなんて100年に一度の出来事。
(もっと言うとその1年前のミレニアムなんて1000年に一度の出来事)。
手塚治虫の漫画でも21世紀はユートピアのように描かれてあったし・・・。

いや、でもそう簡単に変わるわけないか・・・。
そんな複雑な心境だった僕の前に現れたのがこのアルバム。
で、以下がこのアルバムを聴いて感じた最初の印象。

“これは今までの音楽とは違う。これは革命や”

そんな革命的アルバムの中からあえてシングル化されてない
“丸の内サディスティック”“茜さす 帰路照らされど…”
少しマニアックなこの2曲のPVを貼り付け!!





それでです、このアルバムのペパーミント色をした灰色がかった緑色の
ジャケットが早朝の歌舞伎町の霧がかった空気を連想させるのに十分で、
またこのアルバムの2曲目に収録されている“歌舞伎町の女王”という
曲がまさしく彼女自身であると連想させ・・・。

“椎名林檎なる女王が朝もやのかかる歌舞伎町で
地上波音楽に対して反乱を起こした・・・。”

当時そんな印象を持ったのでした。
(今思うと相当な妄想癖かも・・・)

で、今冷静に振り返ってみると・・・。
難解な歌詞、既存の音楽と違った革命的な手法
病的な、何度もリピートして聴きたくなる中毒性・・・。

ん、待てよ。これは・・・。
難解なストーリーに、既存のアニメに風穴をあけ、
病的な、何度もリピートして観たくなる中毒性・・・。

これはまさしくエヴァじゃないか!!

そう、まさに“椎名林檎の音楽はエヴァンゲリオン”。

で、もっというと「無罪モラトリアム」は
“エヴァンゲリオンの最初のTVシリーズ全26話”なんではないかと・・・。

という意味で、このアルバムは特別。

最高、完璧、傑作・・・。
確かにそうなんだけど、それだけでは言い表せない何かを感じ、
また彼女の他のアルバムと単純に比較するのに少し違和感を感じてしまう、
(エヴァのTV版と映画版を単純比較してしまうような違和感というのか?)

そんな彼女のファーストアルバム「無罪モラトリアム」。
このアルバムを聴いた人の中にはもう彼女の世界から抜け出せない
“エヴァ中毒”ならぬ“椎名林檎中毒”になる方もでてくると思われますが
その辺をご注意の上お聴きくださいませ。

最後に“同じ 空は明日を始めてしまう 例えあたしが息を止めても”
のフレーズが印象的な“同じ夜”のPVを貼り付け!!



もう一個おまけで椎名林檎のデビュー前の映像を貼り付け!!
1996年10月に財)ヤマハ音楽振興会主催で行われたイベント
“第5回ミュージック・クエスト 日本大会”の模様。
曲はこのアルバムにも収録されている“ここでキスして。”。

ここでキスして(椎名林檎 デビュー前)


で、実はこのイベントちょっとしたもんなんです。
なんとメジャーデビュー前のaikoもこの大会に出場しているんです!!
この大会がきっかけで、椎名林檎とaikoは今でも交友かあるとか・・・。
The 5th MUSIC QUEST JAPAN FINAL | ミュージック・クエスト | イベントヒストリー
それにしても・・・
両者ともグランプリには届かず、優秀賞ってのがなんとも意味深。
時代がまだ彼女たちに追いついていなかったってことでしょうか・・・。

【関連サイト】
椎名林檎 - SR 猫柳本線
(椎名林檎、東京事変ほかの公式サイト。)